音楽の授業の鮮やかな思い出

子供の頃の鮮烈な感動体験は、その後の人生の礎となり、また人生を左右すると言っても過言ではないと思っています。クラシック音楽における私自身の体験の中で特に思い出されるのは、たしか小3の音楽の授業で、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」の“水族館” を初めて耳にした時。音の魔法にかかり、目の前に何とも言いようのないくらい美しい色彩が目の前に広がる不思議な体験をしました。それはオーケストレーションの妙と楽器が持つ音色への目覚めとなりました。中1の時はベートーヴェン第7番を鑑賞した時で、「言葉を持たない音楽の言葉」を聴いたような気がして、その物凄いパワーを知ったのでした。その頃、クラシックよりも特にロックやジャズに夢中になって聴いていた私でしたが、ベートーヴェンの音楽の中にロック魂のようなものを感じとっていたのかもしれません。今でもその時の高揚感が思い出されドキドキします。

様々に思い返してみると、私の音楽的ないくつもの目覚めは学校の音楽の授業で起きていたのでした。そんなことを思い返しながら、先週から始まった教育実習で、音楽教育科の学生達が担当する授業を参観をしていました。実習生を指導いただいている教員の方々の教員力、指導力には頭が下がる思いでしたが、それにしても、子供達がそれぞれに持つ潜在能力の高さ、大人の私達が想像する以上の豊かな感性、独自かつ自由な発想、自ら導き出す学びの展開などを垣間見て驚くことしきりでした。そして、指導には「共感力」と「知の越境」がものを言うと確信しています。演奏技術があればあるほど良いのは事実ですが、そこに確かな知識や経験の裏付けがあるかどうか。学生は常に他学部もしくは異分野の仲間と切磋琢磨し、管弦楽団や吹奏楽団をはじめ郷土芸能を習得し活動している人材が何人もいて、とても頼もしく私自身学ぶことが多々あります。人間性が形成される特に大切な時期の教育を担う教員になるべく、覚悟を持ち真摯に学ぶ学生達を心から応援しながら、そのような人材が将来のびのびと力を発揮できる環境が整ってこそ、ほんとうの意味での豊かな国の証であり、そうあって欲しいと願う日々です。

写真は、先月訪れた小学校の音楽室の光景。子供達が「怖いよ〜!」と言っていた肖像画ポスター。そろそろ張り替えかなあ。笑 たしかに、子供にとっては怖いかもしれませんね。ところで人物当てクイズ、私は全問正解できませんでした。それにしても、なぜかお一人だけデッサン風なのが際立ってます。

正解はこちら↓
左から、P.チャイコフスキー、D.カバレフスキー、L.イェッセル(キューピー3分クッキングのテーマ曲の「おもちゃの騎兵隊」がおなじみです。)、“ヨーゼフ“・シュトラウス、S.プロコフィエフ、C.タイケ(吹奏楽作品を多く作曲)です。

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