11/23(祝) 岩手県公会堂にて、もりおか周遊舞台芸術祭におけるアーティスト イン レジデンスの公募に数多くの作曲家から選ばれた新進気鋭の作曲家・大畑眞氏と井澗昌樹氏の新作が世界初演されました。初演に立ち会うことができ最高の時間でした。アフタートークでご一緒させていただいた大畑氏の作品を初めて聴いたのは、芥川也寸志サントリー作曲賞のノミネート作品で聴衆賞を受賞した(SFA総選挙にて48%獲得)《JINK (2021) 》(宮城県登米市で受け継がれる長谷山甚句のお囃子を素材としている。)でした。まるで異界と交信するような神秘性や不思議な引力と同時に、なんとも言えない懐かしさが混在するような作品で、(私の感想です。)今回アーティスト イン レジデンスに選ばれたと知り、とても楽しみにしていました。三度の滞在中に三陸沿岸の地域に伝わる伝統芸能に触れ、また実際体験したことであらためて発見した、物事の「表と裏」「陰と陽」といった「二面性」が大きなテーマで、奏者も聴き手も、まさにそれを体感する作品でした。それから、スコアには細分化されたリズムや細かく変化する拍子が記譜されているのですが、(中には39/16?なんて指示も!)それは、自然な揺らぎや伸縮を表すためだったり、また僅かなズレは心地良さや推進力になっていくことを発見したり、楽譜上の音符を正確に演奏するだけでは表現しきれないことについても再考するきっかけとなりました。日本人である私達だからこそ自然に表現できる独特なリズムや拍感、旋律の感覚は宝物なのだと気づかされます。これからの時代、こうした作品は異彩を放っていくと思いました。それから、今回話すなかで現在の師匠が望月京氏と知り、高校からの同級生ということもありご縁を感じたのでした。
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