4 Sentimental Etudes

初演の醍醐味と、音楽は生き物だとあらためて実感するこの頃……

昨年末、地球の反対側のブラジルからピアノ作品の新作が贈られてきました。若き現代作曲家Luiz Castelões氏の『4 Sentimental Etudes (2020)』です。
https://luizcasteloes.com/

今回、Castelões氏のクロスオーバーする様々なジャンルの音楽世界をヴィジュアルでも表現したいという思いがあり、Studio407の酒井 崇裕氏に大まかなイメージのみをお伝えし、録音だけでなく映像監督もお任せしました。音へのこだわりはもとより、以前ワーナーミュージック・ジャパンでPrinceをはじめ、錚々たるアーティストともお仕事をしてきた酒井氏のセンスは流石です。想像以上の映像が出来上がりました。

昨日公開されたビデオに対して、こちらはCastelões氏が制作したビデオスコアで、使われている音源は自宅でチェックの為に録音したものです。(..)実はそれほどはっきりと自覚はなかったのですが、二つのビデオの演奏を聴き比べてみるとモードがかなり変化しているのが分かります。Castelões氏はその違いにとても興味を持ち、「自宅での演奏には”音楽に対峙する戦士のようなアグレッシブさ“を、一方サロンでの演奏は”内省的で繊細、そして抒情性“を感じ、それぞれに独自の良さがある」そして「一人の人間による同じ作品の演奏が、心理状態や楽器や環境で大きく変化する、それこそが芸術であり、そこに美学がある」と語っています。

初演をする醍醐味は、漠然と完成した姿を想像する段階から、設計図とともに現実化していくプロセスにあります。絵画であれば、それに色彩の創造も加わります。器楽作品は言葉を持たないので、音の中に言葉を見つけようと必死に試みます。そして何より!作曲家の生きた意見をもらいながら音楽作りができること、に尽きます。

あなたはCastelões氏の音楽の中に何を見出しますか?

Luiz Castelões “4 Sentimental Etudes” for solo piano

  Dedicated to Aki Fujii

I. “Epic”
II. Straight line ⇨Arabesques
Ⅲ. “Children’s Pop March”
(inspired by Sting, lead singer from the band”The Police”)
Ⅳ.Bonus track: “Bach’s musical box”
(after his Prelude.Ⅹ, in E minor [WTC, Vol.1])

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