最大の恩師への心からの感謝を込めて

10/11に、私の音楽人生の恩師である佐武由味子先生のメモリアルコンサートにて同門のピアニストの方々とご一緒させていただきます。先生の自宅レッスンには小学3年生から藝大附属高入学まで通いました。その後もずっと成長を温かく見守り下さり、いつも貴重なアドバイスをいただきました。当日はそれぞれ先生との思い出やエピソードをお話を交えながらの内容で、私は特に思い出深い、小学生の頃にレッスンを受けたバッハ:フランス組曲第5番を選曲しました。いつも“ピアノを弾く”のではなく、“ピアノという楽器を通して音楽を奏でる”ことを、丁寧に、根気強く教えてくださり、特に音質や響きに対しては一切妥協は許さず、時には数小節で時間切れになることもありました。もっと「弾きたい」子供にとってはちょっと辛い時期もありましたが、(でも、私はもっと弾けるのに〜、とイライラしながらも、子供なりにその意味をきちんと理解していたように思います。)ある日を境に「もう大丈夫ね。」と、どんどん難曲に挑戦させてくれるようになった時に飛び上がるくらい嬉しかったのを覚えています。先生の教えは確かに私の音楽活動の柱となっています。それから、佐武先生のお嬢様であるチェンバロ奏者の有田千代子氏とご主人の有田正広氏のレコード!(私が小学生の頃、まだCDはまだ登場していませんでした。)やライブ演奏に接してきたことは、私がバロック音楽、特にバッハに憧れを抱くきっかけとなりました。「木犀の会」の名前の由来は、先生がお好きだった秋にオレンジの小花を咲かせる香木である金木犀で、これまで私が高校生の時から何度も出演をさせていただきました。かつての先生の優しくも威厳があり、また凛とした美しいお姿を思い浮かべながら、感謝を込めて演奏をしたいと思います。

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