須坂市東中学校の1924年製プレイエル・ピアノ

先日、長野県須坂市東中学校文化祭にお招きいただき、同校が所有する1924年製のプレイエルでコンサートをさせていただきましたが、前日の夜、ついに対面が叶いました。昭和33年に地元出身の実業家・山岸右京氏から寄贈されたピアノは、長い間校舎の隅に眠っていましたが、前任の校長の呼びかけから始まり、長野市在住のピアノ技術者である米山宏貴氏の指導のもと、約150名の生徒達が部品解体や清掃、修復費用の募金呼びかけから宣伝まで全て担当した、まさに全校をあげて取り組んだプロジェクトは、ついに2年前に山本貴志氏によるお披露目コンサートで実を結んだのでした。修復といっても、かなり損傷が激しかったこと、限られた費用(90万円ほど)の問題もあり、使える部分はそのままに、そして足りない部分を補うという応急処置だったということでしたが、コンサート前日の夜に対面し1音鳴らした瞬間、その空気をまとったような響きというのか、タッチは羽のように軽く、何とも典雅で優しく魅力的な音色に驚きました。生徒達が作ってくれたピアノの前の素敵なサインボードに大感激でした。

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