盛岡市にある旧岩手銀行赤レンガ館でのコンサートを終えました。北は青森、南は大阪から聴きに来て下さった方々、ほんとうに有難うございました。意外にも岩手での演奏が初めてだった雲井氏の極上のサウンドは、お客様の体の隅々にもの凄いエネルギーとなって深く染み渡ったことは、終演後のお客様の表情や会話が証明していました。雲井氏の音楽がもたらしたものは計り知れません。
今回、コンサート企画実現まで1ヶ月半にも満たない時間でしたが、私にとって、大学院の授業でも担当しているアートマネジメントについてあらためて考えるいい機会となりました。国の重要文化財であり、空調設備が許されない赤レンガ館でのコンサートは、季節が限定されること、同時間に空間を共有する建物の見学客の存在や、(静かに見学したいと思う方にとっては、時には音楽が迷惑になることもあるかもしれません。)時にもれ聴こえてくる街の騒音など心配がありましたが、実際にはそれらを全て忘れてしまうほどでした。お客様からこんな感想をいただきました。“「日常のノイズ」が逆説的に、音楽に集中できる不思議な効果を感じさせてくれ、時にちょっと「街角ピアノ」みたいに子供の声だったり、バスの長く引きずるブレーキの軋み音だったりが紛れ込んでしまうと、逆にそれらを振り解くように音楽へと集中し、のめり込んで行こうとする自分を見出すのでした。” 「アートと社会を結ぶ役割としてのアートマネジメント」の課題、そして可能性を再確認する言葉です。
それから、何よりも感動したのは、当日お手伝いをしてくれた岩手大学の学生たちの存在です。会場設営から現状復帰、受付、感染対策、お客様の誘導など、私よりも何倍も気がつき完璧に務めてくれました。心からの感謝と賛辞を送りたいと思います。そして、コンサートをきめ細かくサポートして下さった東山堂さんにもあらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。
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