先日ラジオ成田、“玻璃”こと徳重英子さんがパーソナリティーを務める「玻璃のペリウィンクル・ノイズ」にて、私の大切な恩人・友人で闘病の末二年前に天に旅立った音楽プロデューサー加藤圭子さんと、最後に共に制作したCD「宇宙(そら)の風」を紹介して下さいました。徳重さんとご縁をいただいたのはつい数ヶ月前のことでしたが、作品を気に入り、全国の方に届くように取り上げて下さったことに心から感謝いたします。また、CDに関わった私達のメッセージを丁寧に伝えて下さった、札幌在住のシンガーソングライター・岡崎公勢さんにも深く感謝いたします。
番組のアーカイブがお聴きになれます。「宇宙の風」は開始10分くらいからです。是非お聴きいただけたら幸せです。
🌜✨🌕🌖🌗「玻璃のペリウィンクル・ノイズ 第十六夜」🌒🌗🌖✨🌛(2021.7.28 21:00-21:58 OA)
♪「宇宙の風」に寄せて
『会いたい人に会えない時、遠い空の向こうへ旅立っていた人を思うとき、月に照らされながら、空を眺め、星を数え、そして祈る…そんな夜を過ごしたことはありませんか?
今夜お届けする一曲は、「宇宙(そら)の風」。“そら”とは、遥か彼方どこまでも続く宇宙、そして私達一人一人の中に存在する宇宙、の“そら”。
この作品は、日本全体を恐れと悲しみで覆った大震災の年に書かれました。あれから10年。苦しいことがあっても、皆で支え合うことができれば必ずや希望の光を見出すことができる、と信じた当時の思いを祈りを込めて言葉で紡いだのは、地元である仙台で経験された、詩人・星乃ミミナさん。そしてその丁寧な言葉一つ一つをメロディーに乗せて一人でも多くの方々に届けたい、と作曲家の三平(みひら)典子さんが作曲しました。
春と秋の東北の美しい風景は格別です。星乃ミミナさんは、大好きな東北の風景に特別な思いを寄せています。今年は、たとえ一筋でも、その風景の中に光を見つけることができるのでしょうか?
きっと貴方にも、心の奥にどんなに時を重ねても消えない切なさや心の痛みがあることでしょう。そんな時”そら“を見上げて大切な人を思い、そっとこのメロディーを、“そら”に届けてみて下さい。』
演奏は、私とNHK教育の「ワンツーどん」の歌のお姉さんを務めた童謡歌手の稲村なおこさんです。この楽曲のプロデューサーでもあった音楽プロデューサー・加藤圭子さんは、一昨年ガンで53歳の若さで生涯を閉じました。この作品が最後のプロデュース作品になってしまいました。秋田生まれの彼女は、とりわけ東北への思いを持っていました。いまだ困難に立ち向かい、決してめげずに明るく生きている方々への強いメッセージが込められている作品です。私自身小1から中3まで緑豊かな美しい街・仙台で育ちました。それから、以前アウトリーチ活動(音楽鑑賞教室)で訪れた、福島、宮城、岩手の沿岸地域の小中高校の光景は今だに鮮明に私の記憶に焼きついています。中には津波でなくなってしまった学校もあります。その時出会った可愛い子供達の笑顔、先生方、スタッフの方々の心や姿は今も鮮やかに記憶に刻まれています。また震災直後に慰問演奏で訪れた石巻なども常に忘れることはありません。音楽で少しでも元気をお届けしようと赴いたのですが、逆に自分が勇気と力を頂いていることにも気づきました。自分の無力さも痛感しました。
…今現在、きっとコロナ禍で家族や友人に会えない方々、やりきれない気持ちを抱えていらっしゃる方、と同時にこの先の未来に希望を持っていらっしゃる方々の心に「宇宙の風」が響いてくれるといいな、と祈るような気持ちです。私の夢は、この作品が合唱曲に編曲されて全国の皆さんに愛唱されることです。いつか叶いますように。
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